天智天皇
香具山は 畝傍を愛しと 耳梨と あひ争ひき 神代より かくにあるらし いにしへも 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき
香具山は畝傍山を愛しく思って、耳梨山と争った。神代からこうしたもの。むかしもそうだ。だから現世でも、ふたりの男がひとりの妻を争うものとみえるよ。
初出:「イラスト古典 万葉集」(文・米川千嘉子) 学習研究社(1990年11月5日)